中耳炎および外耳炎に対するPazufloxacinの基礎的・臨床的検討

中耳炎および外耳炎に対するpazufloxacin (PZFX) の有効性と安全性を評価する目的で患者分離菌の感受性分布, 中耳粘膜などの組織内移行ならびに多施設統一プロトコールによる一般臨床試験を行い, 以下の結果を得た. 1. PZFX投与前に, 中耳炎および外耳炎患者より分離された全菌株100株に対する感受性分布はofloxacin (OFLX) に比べ2~4倍優れ, ciprofloxacin (CPFX) とほぼ同等であった. 2. PZFX経口投与後の中耳粘膜等組織内濃度は投与後2時間で12~3.6μg/gに達し, 対血清比 (平均) で2.38と良好な移行性を示した. 3, 臨床...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 42; no. 4; pp. 416 - 431
Main Authors 馬場, 駿吉, 宮本, 直哉, 市川, 銀一郎, 山川, 卓也, 桜井, 淳, 板橋, 隆嗣, 渡辺, 洋, 和田, 昌士, 三宅, 浩郷, 佐藤, むつみ, 高橋, 秀明, 山崎, 充代, 坂井, 真, 新川, 敦, 木村, 栄成, 秋田谷, 直, 宮本, ゆう子, 藤井, 一省, 福里, 博, 小川, 裕, 加賀, 達美, 横田, 明, 加藤, 薫, 伊藤, 弘美, 小林, 武弘, 伊佐治, 弘子, 甕, 久人, 柘植, 勇人, 森部, 一穂, 小島, 憲, 亀井, 壮太郎, 笠島, 哲也, 小関, 晶嗣, 松永, 亨, 阪上, 雅史, 土井, 勝美, 久保, 武, 荻野, 仁, 島田, 久美, 芦田, 健太郎, 村田, 潤子, 佐々木, 良二, 深澤, 啓二郎, 杉井, 亜也子, 原田, 康夫, 鈴木, 衛, 平川, 勝洋, 工田, 昌也, 夜陣, 紘治, 平田, 思, 田頭, 宣治, 柿, 音高, 小林, 優子, 津田, 哲也, 大山, 勝, 島, 哲也, 松崎, 勉, 古田, 茂, 大野, 文夫, 出口, 浩二, 土器屋, 富美子, 福島, 康裕, 森山, 一郎, 松永, 信也, 廣田, 常治, 岩淵, 康雄, 徳重, 栄一郎, 内薗, 明裕, 渡辺, 荘郁, 松村, 益美, 村野, 健三, 宮崎, 康博, 原口, 兼明, 今給黎, 泰二郎, 江川, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1996
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Summary:中耳炎および外耳炎に対するpazufloxacin (PZFX) の有効性と安全性を評価する目的で患者分離菌の感受性分布, 中耳粘膜などの組織内移行ならびに多施設統一プロトコールによる一般臨床試験を行い, 以下の結果を得た. 1. PZFX投与前に, 中耳炎および外耳炎患者より分離された全菌株100株に対する感受性分布はofloxacin (OFLX) に比べ2~4倍優れ, ciprofloxacin (CPFX) とほぼ同等であった. 2. PZFX経口投与後の中耳粘膜等組織内濃度は投与後2時間で12~3.6μg/gに達し, 対血清比 (平均) で2.38と良好な移行性を示した. 3, 臨床効果判定を得た中耳炎66例, 外耳炎22例に対する有効率は, それぞれ79% (52/66), 91% (20/22) であった. 4. 副作用は解析対象症例数103例中4例 (発現率; 3.9%) に認められ, その内訳は消化器症状3例, 発疹1例であった. また, 臨床検査値異常変動はGOT・GPTの上昇が1例に認められた. 以上の成績から, PZFXは中耳炎および外耳炎に対し有用性の高い薬剤と考えられた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.42.4_416