スポーツとアートとテクノロジーを融合した 新しいスポーツ参画システムによる 若者の運動継続モデルの検証

国民のスポーツ実施率向上は各国が取り組む課題である.わが国においては,成人のスポーツ実施率は3割以下で,特に若者世代 (20・30代) は他年代に比べ最も低く,また運動・スポーツへの「無関心層」が存在する.本研究では,若年世代の運動・スポーツに対する意識を調査するとともに,無関心層が運動実施・継続に必要な動機付け要因を検証することを目的とした.男女大学生を対象に,キャンパス内に設置したデジタル技術にアートと音楽を融合した新しいスポーツコンテンツ (SPOREV.) を提供し,その体験の前後にアンケート調査にて,運動・スポーツに対する意識を調査した.その結果,SPOREV.を体験した多くは,過去...

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Published inデサントスポーツ科学 Vol. 44; pp. 210 - 219
Main Authors 鈴木, 大地, 柳谷, 登志雄, 小川, 和也, 村松, 亮太郎, 野崎, 大地
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 22.02.2023
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Summary:国民のスポーツ実施率向上は各国が取り組む課題である.わが国においては,成人のスポーツ実施率は3割以下で,特に若者世代 (20・30代) は他年代に比べ最も低く,また運動・スポーツへの「無関心層」が存在する.本研究では,若年世代の運動・スポーツに対する意識を調査するとともに,無関心層が運動実施・継続に必要な動機付け要因を検証することを目的とした.男女大学生を対象に,キャンパス内に設置したデジタル技術にアートと音楽を融合した新しいスポーツコンテンツ (SPOREV.) を提供し,その体験の前後にアンケート調査にて,運動・スポーツに対する意識を調査した.その結果,SPOREV.を体験した多くは,過去や現在に一定の運動習慣や体力への自信があると答えた学生であった.一方で,運動習慣がなく今後も運動するつもりがないと答えた無関心層の学生の一部も「面白そう」「友人に誘われた」との理由でSPOREV.を体験しており,体験後の運動に対する意欲が向上する傾向があった.今後は,さらに無関心層が運動に取り組みたくなる動機付けや報酬システムを検討する.
ISSN:0285-5739
2758-4429
DOI:10.57488/descente.44.0_210