臨床 房室接合部性期外収縮の不顕伝導により生じた第1度第2度房室ブロック

房室接合部性期外収縮が,房室伝導系の一部分のみ脱分極させた結果,心房と心室には達しないが後続伝導に影響を与え,第1度第2度房室ブロックを生ずることがある. われわれはかかる症例を2例経験したので報告する.第1例は55歳女子で右脚ブ鐸ック兼左脚前枝ブロックを示し,失神発作の既往を持っていた.ヒス束心電図で期外収縮が記録された直後の房室伝導が障害され,第1度第2度房室ブロックを起した.第2例は17歳男子で期外収縮が多発していること以外は全く健康な高校生である.期外収縮が心房へも心室へも伝わる場合と,心房のみに伝わり心室までは達しない場合のある心電図に突然房室ブロックを伴ったもので,その原因として心...

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Published in心臓 Vol. 8; no. 6; pp. 628 - 633
Main Authors 三羽, 啓史, 小林, 章一, 田渕, 哲雄, 高元, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1976
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Summary:房室接合部性期外収縮が,房室伝導系の一部分のみ脱分極させた結果,心房と心室には達しないが後続伝導に影響を与え,第1度第2度房室ブロックを生ずることがある. われわれはかかる症例を2例経験したので報告する.第1例は55歳女子で右脚ブ鐸ック兼左脚前枝ブロックを示し,失神発作の既往を持っていた.ヒス束心電図で期外収縮が記録された直後の房室伝導が障害され,第1度第2度房室ブロックを起した.第2例は17歳男子で期外収縮が多発していること以外は全く健康な高校生である.期外収縮が心房へも心室へも伝わる場合と,心房のみに伝わり心室までは達しない場合のある心電図に突然房室ブロックを伴ったもので,その原因として心電図上記録されない期外収縮の存在が示唆される症例である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.8.6_628