哺乳時呼吸障害を来した新生児の1例

哺乳時に著しい呼吸障害を来した新生児の1例を経験したので報告する。出生後に哺乳開始するも、喘鳴、チアノーゼ、鼻腔へのミルクの逆流が認められたため、経口哺乳が困難となった。胸部レントゲン、心エコー、頭頸部MRIなどでは、明らかな異常は認められなかったが、鼻咽腔ファイバースコープ検査で上咽頭がやや狭いように思われた。おそらくこのために、授乳中に努力性の鼻呼吸が行われ、下顎と舌を中心とする嚥下運動のリズムが障害されて誤飲したものと考えられた。日数の経過とともに、この障害は徐々に改善した。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 49; no. 5; pp. 351 - 353
Main Authors 二谷, 武, 渡辺, 行雄, 浅井, 正嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 2003
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.49.5_351

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Summary:哺乳時に著しい呼吸障害を来した新生児の1例を経験したので報告する。出生後に哺乳開始するも、喘鳴、チアノーゼ、鼻腔へのミルクの逆流が認められたため、経口哺乳が困難となった。胸部レントゲン、心エコー、頭頸部MRIなどでは、明らかな異常は認められなかったが、鼻咽腔ファイバースコープ検査で上咽頭がやや狭いように思われた。おそらくこのために、授乳中に努力性の鼻呼吸が行われ、下顎と舌を中心とする嚥下運動のリズムが障害されて誤飲したものと考えられた。日数の経過とともに、この障害は徐々に改善した。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.49.5_351