潜在性ハイブリッドワルチン腫瘍/オンコサイトーマの1症例

唾液腺良性腫瘍の中でも発症頻度の稀なものにオンコサイトーマがあり,さらに亜分類としてDadrick(1996)はワルチン腫瘍とあわせてもつ型をハイブリッドワルチン腫瘍/オンコサイトーマとして挙げている.今回われわれは本症例(1例)を経験したのでその概要と文献的参考を加えて報告した.患者は66歳男性で右側下顎大臼歯の歯肉癌,と流域リンパ節転移の臨床診断および病理組織学的に扁平上皮癌(SCC;Y-K4C;grade III)と診断されたため,右側下顎骨を含めた区域切除と頸部郭清手術を行った.リンパ節転移を精査する中で右側耳下腺内リンパ節に想定外の腫瘤が検出され,ハイブリッドワルチン腫瘍とオンコサイ...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 1.2; pp. 64 - 69
Main Authors 福山, 宏, 黒川, 英雄, 山下, 善弘, 高橋, 哲, 張, 皿, 友寄, 泰樹, 松尾, 拡
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 九州歯科学会 2008
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ISSN0368-6833
1880-8719
DOI10.2504/kds.62.64

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Summary:唾液腺良性腫瘍の中でも発症頻度の稀なものにオンコサイトーマがあり,さらに亜分類としてDadrick(1996)はワルチン腫瘍とあわせてもつ型をハイブリッドワルチン腫瘍/オンコサイトーマとして挙げている.今回われわれは本症例(1例)を経験したのでその概要と文献的参考を加えて報告した.患者は66歳男性で右側下顎大臼歯の歯肉癌,と流域リンパ節転移の臨床診断および病理組織学的に扁平上皮癌(SCC;Y-K4C;grade III)と診断されたため,右側下顎骨を含めた区域切除と頸部郭清手術を行った.リンパ節転移を精査する中で右側耳下腺内リンパ節に想定外の腫瘤が検出され,ハイブリッドワルチン腫瘍とオンコサイトーマを有する良性腫瘍(潜在性腫瘍)と診断を下した.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.62.64