症例 肺動脈分枝狭窄症の外科治療

肺動脈分枝狭窄症のうち左右両側肺の末梢に多発性にみられる肺動脈狭窄に対する外科治療の2例を経験した.1例は左室右房交通症を合併する本症で,右開胸下に心膜パッチによる右肺動脈狭窄解除,しかるのち側両開胸にて先づ心膜パッチによる左側肺動脈狭窄解除と引き続き体外循環下に心内修復を行い,1例は他に心奇型を合併しない本症で右開胸下に心膜パッチにて右肺動脈狭窄解除を行い2例とも良好の結果を得た.本症の外科治療の報告は少なく,さらに他の心奇型を合併する本症のうち狭窄が末梢に多発性に存在する場合,従来手術不可能とされてきた.今回我々は肺動脈分枝狭窄症の狭窄解除は各区域肺動脈分岐部まで可能であることを認め,かつ...

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Published in心臓 Vol. 8; no. 4; pp. 423 - 431
Main Authors 富永, 誠一, 桧山, 輝男, 中島, 一己, 石原, 昭, 風間, 繁, 池田, 祐之, 吉村, 博邦, 小柳, 仁, 西田, 宏, 浅利, 秀男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1976
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.8.4_423

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Summary:肺動脈分枝狭窄症のうち左右両側肺の末梢に多発性にみられる肺動脈狭窄に対する外科治療の2例を経験した.1例は左室右房交通症を合併する本症で,右開胸下に心膜パッチによる右肺動脈狭窄解除,しかるのち側両開胸にて先づ心膜パッチによる左側肺動脈狭窄解除と引き続き体外循環下に心内修復を行い,1例は他に心奇型を合併しない本症で右開胸下に心膜パッチにて右肺動脈狭窄解除を行い2例とも良好の結果を得た.本症の外科治療の報告は少なく,さらに他の心奇型を合併する本症のうち狭窄が末梢に多発性に存在する場合,従来手術不可能とされてきた.今回我々は肺動脈分枝狭窄症の狭窄解除は各区域肺動脈分岐部まで可能であることを認め,かつ他の心奇型合併の本症も手術の順序が適正であれぽ手術可能であることを認めた.自験例を中心に肺動脈分枝狭窄症の外科治療について言及した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.8.4_423