外リンパ瘻の一例

59歳の女性が用便中に力んでいるときに外リンパ瘻を発症した。めまいと高度の難聴が改善しないので、発症4日目に試験的鼓室試開を行った。術中に麻酔深度が浅くなり嘔吐反応をおこし、そのために蝸牛窓からのリンパ液の流出を認めた。術後めまいは完全に消失したが聴力は一時かなりの改善を見たもののふたたび高音部の低下が見られた。突発難聴で外リンパ瘻が疑われたときは積極的な鼓室試開を行うことが確実な診断と的確な治療につながるものと考えられる。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 44; no. 5; pp. 667 - 670
Main Authors 木村, 俊治, 森園, 哲夫, 江浦, 陽一, 劉, 新相, 加藤, 寿彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1998
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.44.5_667

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Summary:59歳の女性が用便中に力んでいるときに外リンパ瘻を発症した。めまいと高度の難聴が改善しないので、発症4日目に試験的鼓室試開を行った。術中に麻酔深度が浅くなり嘔吐反応をおこし、そのために蝸牛窓からのリンパ液の流出を認めた。術後めまいは完全に消失したが聴力は一時かなりの改善を見たもののふたたび高音部の低下が見られた。突発難聴で外リンパ瘻が疑われたときは積極的な鼓室試開を行うことが確実な診断と的確な治療につながるものと考えられる。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.44.5_667