臨床 心室洞部中隔全欠損症(C型単心室)の臨床診断と外科治療

剖検および手術所見よりいわゆる単心室と確診を得た32例のうち,今回は心室洞部中隔全欠損症(C型単心室)8例(剖検例5例,手術例3例)を,正常大血管群4例大血管転位群4例に分けて,臨床所見および外科治療について検討し,本症の疾患概念について検討した. 臨床症状および心カテ所見は,流出路合併疾患などのない例では正常大血管群はlarge VSD,大血管転位群はdTGA+large VSDと同様の所見を示した,心電図上の共通点は,両群ともに左軸偏位をとりやすいことであった.両群とも合併疾患の種類により.臨床所見は異なり注意を要した. 臨床症状,血行動態,外科治療の検討の結果,洞部中隔全欠損症は巨大心室...

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Published in心臓 Vol. 7; no. 7; pp. 803 - 812
Main Authors 夏秋, 正文, 安藤, 正彦, 龍野, 勝彦, 森川, 哲夫, 半谷, 静雄, 今村, 栄一郎, 今井, 康晴, 今野, 草二, 高尾, 篤良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1975
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Summary:剖検および手術所見よりいわゆる単心室と確診を得た32例のうち,今回は心室洞部中隔全欠損症(C型単心室)8例(剖検例5例,手術例3例)を,正常大血管群4例大血管転位群4例に分けて,臨床所見および外科治療について検討し,本症の疾患概念について検討した. 臨床症状および心カテ所見は,流出路合併疾患などのない例では正常大血管群はlarge VSD,大血管転位群はdTGA+large VSDと同様の所見を示した,心電図上の共通点は,両群ともに左軸偏位をとりやすいことであった.両群とも合併疾患の種類により.臨床所見は異なり注意を要した. 臨床症状,血行動態,外科治療の検討の結果,洞部中隔全欠損症は巨大心室中隔欠損症と考えるべきであり,単心室という疾患概念から区別するのが妥当であると結論した. 当院では,正常大血管群2例の心内修復に成功している.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.7.7_803