頚神経領域の帯状庖疹に内耳障害を伴つた1例

1) 比較的稀であると思われる頚神経 (C3) 領域の帯状庖疹と蝸牛・前庭障害のみを示した, 24歳女性の症例について, 発症時から2年1カ月間にわたつて神経耳科検査を中心とした臨床経過観察を行つた. その結果, めまい・平衡障害を自覚しなくなつた後も頭位眼振が認められたことと, 発症時には高度低下を示した患側耳の温度眼振反応が, 2年間で徐々に回復したことが特徴であつた. 2) 本症例の症状発現機序について, 末梢神経の吻合を介する経路とクモ膜下腔を介する経路の可能性について若干の文献的考察を行つた....

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 38; no. 6; pp. 792 - 796
Main Authors 池田, 元久, 渡辺, 勇, 武藤, 二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1992
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Summary:1) 比較的稀であると思われる頚神経 (C3) 領域の帯状庖疹と蝸牛・前庭障害のみを示した, 24歳女性の症例について, 発症時から2年1カ月間にわたつて神経耳科検査を中心とした臨床経過観察を行つた. その結果, めまい・平衡障害を自覚しなくなつた後も頭位眼振が認められたことと, 発症時には高度低下を示した患側耳の温度眼振反応が, 2年間で徐々に回復したことが特徴であつた. 2) 本症例の症状発現機序について, 末梢神経の吻合を介する経路とクモ膜下腔を介する経路の可能性について若干の文献的考察を行つた.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.38.6_792