エネルギー選択による信号検出(ExB)

走査電子顕微鏡(以下SEM)の像コントラストは,二次電子の発生効率と二次電子検出器の位置により決定される.しかし,一般的な二次電子検出器は,二次電子信号だけではなく,反射電子により励起された二次電子も検出しており,高加速電圧観察では試料最表面の観察を行うことが困難であった.一方,低加速電圧領域の高分解能化は,電界放射型電子銃と強励磁型対物レンズの採用で実現された.また,強励磁型対物レンズを搭載したSEMでは,二次電子信号と反射電子信号を同一の検出器で制御しながら観察できる機能も搭載されている.今回は,二次電子/反射電子信号の制御機能を有するシュノーケル型対物レンズ(以下,セミインレンズ)を搭載...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in顕微鏡 Vol. 43; no. 3; pp. 170 - 173
Main Authors 多持, 隆一郎, 渡邉, 俊哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本顕微鏡学会 30.09.2008
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:走査電子顕微鏡(以下SEM)の像コントラストは,二次電子の発生効率と二次電子検出器の位置により決定される.しかし,一般的な二次電子検出器は,二次電子信号だけではなく,反射電子により励起された二次電子も検出しており,高加速電圧観察では試料最表面の観察を行うことが困難であった.一方,低加速電圧領域の高分解能化は,電界放射型電子銃と強励磁型対物レンズの採用で実現された.また,強励磁型対物レンズを搭載したSEMでは,二次電子信号と反射電子信号を同一の検出器で制御しながら観察できる機能も搭載されている.今回は,二次電子/反射電子信号の制御機能を有するシュノーケル型対物レンズ(以下,セミインレンズ)を搭載した検出器の手法であるExBを紹介する.
ISSN:1349-0958
2434-2386
DOI:10.11410/kenbikyo.43.3_170