術後化学療法を受けた大腸癌患者におけるデジタルPCR法を用いたctDNAモニタリングの臨床的妥当性

大腸癌術後症例では生存率向上を目的とし,補助化学療法とサーベイランスが行われている.Stage II 大腸癌では術直後のcirculating tumor DNA‹ctDNA›情報により無再発生存率を低下させることなく補助療法を削減可能であることが示されている.本研究では,根治手術を受けた大腸癌52症例におけるdigital PCRによるctDNAの長期モニタリングと再発の有無について評価した.再発例の術後初回採血でのctDNA値は無再発例に比し有意に高かった.補助療法施行14例のうち,再発例6例中4例‹66.7%›は術直後ctDNA陰性であったが,6例全例で経過中のCTでの再発確認前にctD...

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Published in岩手医学雑誌 Vol. 75; no. 3; pp. 95 - 107
Main Authors 佐々木, 章, 岩谷, 岳, 佐々木, 智子, 八重樫, 瑞典
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 岩手医学会 2023
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ISSN0021-3284
2434-0855
DOI10.24750/iwateishi.75.3_95

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Summary:大腸癌術後症例では生存率向上を目的とし,補助化学療法とサーベイランスが行われている.Stage II 大腸癌では術直後のcirculating tumor DNA‹ctDNA›情報により無再発生存率を低下させることなく補助療法を削減可能であることが示されている.本研究では,根治手術を受けた大腸癌52症例におけるdigital PCRによるctDNAの長期モニタリングと再発の有無について評価した.再発例の術後初回採血でのctDNA値は無再発例に比し有意に高かった.補助療法施行14例のうち,再発例6例中4例‹66.7%›は術直後ctDNA陰性であったが,6例全例で経過中のCTでの再発確認前にctDNAの上昇が見られた.術後経過中のctDNA陽性症例は陰性維持例に比し有意に再発リスクが高かった.経時的なctDNA解析は補助療法施行の判断と早期再発発見の両方に妥当性を有することを示した.
ISSN:0021-3284
2434-0855
DOI:10.24750/iwateishi.75.3_95