Left Ventricular Assist Device(LVAD)装着患者における術後歩行自立日数に関する臨床的特徴

目的:LVAD装着患者の術後歩行自立日数に関する臨床的特徴を明らかにし,術後の心臓リハビリテーション(cardiac rehabilitation;CR)プログラムの立案に活かすこと.方法:LVADを装着した全30例のうち,術前より脳梗塞後遺症で片麻痺が出現した1例を除外した29例を対象とした.そのうち23例は歩行自立可能で6例は歩行自立不可であった.そしてLVAD術後の自立歩行獲得が,術後14日以内で獲得できた群(歩行自立早期群)と,術後15日以上の期間を要した群(歩行自立遅延群),歩行自立不可群に分類した.3群間で術前の血液データ,筋肉量,栄養状態,術中所見,術後所見を比較した.結果:歩行...

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Published in心臓 Vol. 54; no. 11; pp. 1250 - 1261
Main Authors 池宮, 秀一郎, 永田, 春乃, 嶺井, 陽, 平田, 晃己, 植田, 真一郎, 大屋, 祐輔, 古川, 浩二郎, 稲福, 斉, 新崎, 義人, 前田, 達也, 石原, 綾乃, 玉城, 雄也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.11.2022
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.54.1250

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Summary:目的:LVAD装着患者の術後歩行自立日数に関する臨床的特徴を明らかにし,術後の心臓リハビリテーション(cardiac rehabilitation;CR)プログラムの立案に活かすこと.方法:LVADを装着した全30例のうち,術前より脳梗塞後遺症で片麻痺が出現した1例を除外した29例を対象とした.そのうち23例は歩行自立可能で6例は歩行自立不可であった.そしてLVAD術後の自立歩行獲得が,術後14日以内で獲得できた群(歩行自立早期群)と,術後15日以上の期間を要した群(歩行自立遅延群),歩行自立不可群に分類した.3群間で術前の血液データ,筋肉量,栄養状態,術中所見,術後所見を比較した.結果:歩行自立早期群は他の2群と比較して,術前HbおよびeGFRが高く,術後の人工呼吸器装着時間およびICU在室期間が短く,持続的血液濾過透析(CHDF)導入,脳血管障害,および右心不全の合併が低率であった.また,術後の端座位,起立,歩行開始までの日数も短縮していた.結論:術後歩行自立が遅延した症例では,術前後の重症な病態を有し,術後の端座位を含む離床そのものも遅延している傾向であった.これらの項目を術前そしてCR開始後に評価し,状態を把握することは術後の歩行自立日数の予測に有用である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.54.1250