後頸部壊死性軟部組織感染症の1例

症例は43歳男性。右後頸部に発赤と腫脹を認め,毛孔から排膿および出血を伴ったことから壊死性軟部組織感染症が疑われた。表皮から筋層にかけて広範に壊死を認め,徹底的なデブリードマンを施行した結果,局所感染が制御された。後頸部の皮膚欠損に対しては,回転皮弁と分層植皮による再建手術を施行し,自覚的な機能障害なく退院に至った。壊死性軟部組織感染症の中でも,後頸部に生じる稀な1例を経験した。病巣が後頸部から後頭部に限局していたため,初回手術で大胆なデブリードマンを行うことができ,救命につながったと考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 35; no. 1; pp. 87 - 92
Main Authors 市川 椋雅, 山田 雅人, 伏見 直樹, 柳 英成, 苦瓜 治彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2025
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.35.87

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Summary:症例は43歳男性。右後頸部に発赤と腫脹を認め,毛孔から排膿および出血を伴ったことから壊死性軟部組織感染症が疑われた。表皮から筋層にかけて広範に壊死を認め,徹底的なデブリードマンを施行した結果,局所感染が制御された。後頸部の皮膚欠損に対しては,回転皮弁と分層植皮による再建手術を施行し,自覚的な機能障害なく退院に至った。壊死性軟部組織感染症の中でも,後頸部に生じる稀な1例を経験した。病巣が後頸部から後頭部に限局していたため,初回手術で大胆なデブリードマンを行うことができ,救命につながったと考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.35.87