手足口病病因ウイルスの型同定 RT-PCRと特異プローブによる臨床検体からの遺伝子検出と同定
夏に日本で流行する手足口病は, コクサッキーウイルスA16 (CA16) とエンテロウイルス71 (EV71) が主な病因ウイルスである. 簡便にCA16とEV71を型同定する方法を確立するため, VP4領域の塩基配列を解析し特異プローブの作製を試みた. CA16とEV71の標準株, CA16分離株4株, EV71分離株17株, 手足口病と診断された患者の咽頭拭い液2検体のVP4領域の塩基配列を直接解読し, VP4領域の3'側に存在する2カ所の血清型特異的なアミノ酸配列からCA16混合プローブとEV71混合プローブを設計した. エンテロウイルス標準株39株, CA16分離株7株, E...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 71; no. 8; pp. 715 - 723 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.08.1997
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Summary: | 夏に日本で流行する手足口病は, コクサッキーウイルスA16 (CA16) とエンテロウイルス71 (EV71) が主な病因ウイルスである. 簡便にCA16とEV71を型同定する方法を確立するため, VP4領域の塩基配列を解析し特異プローブの作製を試みた. CA16とEV71の標準株, CA16分離株4株, EV71分離株17株, 手足口病と診断された患者の咽頭拭い液2検体のVP4領域の塩基配列を直接解読し, VP4領域の3'側に存在する2カ所の血清型特異的なアミノ酸配列からCA16混合プローブとEV71混合プローブを設計した. エンテロウイルス標準株39株, CA16分離株7株, EV71分離株66株を用い, VP4領域を含む51非翻訳領域とVP2領域をエンテロウイルス共通プライマーで増幅し, サザンハイブリダイゼーションを行った. CA16混合プローブはCA16標準株を含むすべてのCA16分離株由来のPCR産物とのみ反応し, 他の血清型とは反応しなかった. また, EV71混合プローブはEV71分離株とのみ反応し, EV71標準株を含むすべての標準株やCA16分離株とは反応しなかった. 1995年の臨床検体を本法により直接型同定を行ったところ咽頭拭い液78例中70例 (89.7%) はCA16混合プローブと, 1例はEV71混合プローブと反応し, 水庖内容物15例のうち13例 (86.7%) がCA16混合プローブと反応した. 本法は臨床検体からのウイルス分離を必要とせず, 中和法よりも迅速かつ高感度に同定できる方法と考えられる. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.715 |