高齢者悪性リンパ腫の難治性呼吸器合併症の検討 気管支鏡検査の有用性
高齢者非ホジキンリンパ腫 (NHL) の肺合併症の診断に対する気管支鏡検査の有用性を検討した. 対象は65歳以上のNHL12例で, 経気管支的肺生検 (TBLB) を2例, 気管支肺胞洗浄 (BAL) を全例に行い, また腫瘤を認めた2例では経気管支的腫瘤生検を行った. 全体の診断率は12例中8例 (66.7%) であった. 2例はリンパ腫細胞浸潤, 2例は cytomegalovirus (CMV) 感染症, 1例は Pneumocystis carinii (P. carinii), 2例は真菌感染症, 1例は細菌感染症であった. 血小板数が5×104/μl以上であった2例では, TBLB...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 266 - 269 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.04.1995
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.32.266 |
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Summary: | 高齢者非ホジキンリンパ腫 (NHL) の肺合併症の診断に対する気管支鏡検査の有用性を検討した. 対象は65歳以上のNHL12例で, 経気管支的肺生検 (TBLB) を2例, 気管支肺胞洗浄 (BAL) を全例に行い, また腫瘤を認めた2例では経気管支的腫瘤生検を行った. 全体の診断率は12例中8例 (66.7%) であった. 2例はリンパ腫細胞浸潤, 2例は cytomegalovirus (CMV) 感染症, 1例は Pneumocystis carinii (P. carinii), 2例は真菌感染症, 1例は細菌感染症であった. 血小板数が5×104/μl以上であった2例では, TBLBを行いうち1例はリンパ腫細胞浸潤, 1例は真菌感染症と診断した. また12例はBALを施行し, 2例はPCR法によりCMVを検出し, 1例はP. carinii を検出, 1例はaspergillus, 1例は Klebsiella pneumonia と診断した. NHLにおける呼吸器合併症は, 重篤なものが多く早期診断・治療が予後を左右するため, 高齢者でも気管支鏡検査を積極的に行い診断を確定することが大切と思われた. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.32.266 |