本態性高血圧患者の心電図RR間隔変動係数について 加齢, 血行動態および交感神経・副腎髄質機能との関連より
本態性高血圧患者 (EHT) における副交感神経機能を検索すべく, 安静臥床下の心電図RR間隔変動係数 (CVRR) を測定し, これも正常血圧者 (NT) のそれと対比, さらに, CVRRと加齢, 血行動態, 交感神経活動との相互関連性をも検討した. NT 37例 (33.8±2.0歳) 及びWHO I, II期EHT47例 (51.3±1.5歳) を対象とし, 早朝空腹安静臥床下に平均血圧 (MAP), 心拍数 (HR), 血漿 noradrenaline 濃度 (pNA), 血漿 adrenaline 濃度 (pAd), CVRRを同時測定した. CVRRはNT, EHTのいずれにおい...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 28; no. 5; pp. 640 - 645 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
01.09.1991
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.28.640 |
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Summary: | 本態性高血圧患者 (EHT) における副交感神経機能を検索すべく, 安静臥床下の心電図RR間隔変動係数 (CVRR) を測定し, これも正常血圧者 (NT) のそれと対比, さらに, CVRRと加齢, 血行動態, 交感神経活動との相互関連性をも検討した. NT 37例 (33.8±2.0歳) 及びWHO I, II期EHT47例 (51.3±1.5歳) を対象とし, 早朝空腹安静臥床下に平均血圧 (MAP), 心拍数 (HR), 血漿 noradrenaline 濃度 (pNA), 血漿 adrenaline 濃度 (pAd), CVRRを同時測定した. CVRRはNT, EHTのいずれにおいても年齢と有意に逆相関したが, MAP, HR, pAdとは相関しなかった. 一方, CVRRはpNAとNTでのみ負の相関傾向を示し, EHTではかかる傾向を認めなかった. 次に, 年齢をマッチしたNT, EHT群間の対比ではCVRRはNTに比しEHTで有意な低値を示した. 以上の成績より, CVRRから推測される副交感神経機能は加齢や交感神経機能と関連して変動すること, EHTでは副交感神経機能の異常が推測されることが強く示唆された. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.28.640 |