歯科口腔外科領域におけるcefuroxime axetilの基礎的・臨床的検討
Cefuroxime axetil (CXM-AX) の歯科口腔外科領域における有用性を検討する目的で, 基礎的および臨床的検討を行った。本剤の抗菌力を, 当教室保存臨床分離菌74株について調べた結果, グラム陽性菌 (30株) に対しては, ampicillin (ABPC) より劣るが, cefaclor (CCL), cefteram (CFTM) よりやや優れた抗菌力を, グラム陰性菌 (44株) に対してしは, CFTMより劣るが, CCL, ABPC, と同等の抗菌力を示した。ヒトの口腔組織への移行に関する検討で, 抜歯創には末梢静脈血と同等の良好な移行性が認められ, 歯肉ではピー...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 38; no. 12; pp. 1193 - 1205 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1990
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.38.1193 |
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Summary: | Cefuroxime axetil (CXM-AX) の歯科口腔外科領域における有用性を検討する目的で, 基礎的および臨床的検討を行った。本剤の抗菌力を, 当教室保存臨床分離菌74株について調べた結果, グラム陽性菌 (30株) に対しては, ampicillin (ABPC) より劣るが, cefaclor (CCL), cefteram (CFTM) よりやや優れた抗菌力を, グラム陰性菌 (44株) に対してしは, CFTMより劣るが, CCL, ABPC, と同等の抗菌力を示した。ヒトの口腔組織への移行に関する検討で, 抜歯創には末梢静脈血と同等の良好な移行性が認められ, 歯肉ではピーク時に対血清比で0.41±0, 12であり, 他の経口抗菌剤と比較して同等もしくはやや上回る移行性を有していた。臨床的検討で, 歯周組織炎12例, 顎炎2例に用いた結果, 主治医判定では有効以上の症例が10例, 有効率71.4%で, 点数判定では, それぞれ9例, 64.3%の有効率が得られた。副作用は1例に軟便を認めたが, 軽度なものであった。以上のことより本剤は歯科口腔外科領域の中等度以下の感染症治療に安全で有用性の高い抗菌剤であるといえる。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.38.1193 |