甲状腺髄様癌の治療実態 ATAガイドラインとの比較

2015年米国甲状腺学会(ATA)ガイドライン改訂に伴い,当院における甲状腺髄様癌(MTC)治療との比較を行った。 2000年~2016年の間に当院で診断・治療されたMTCは5例(男性2名,女性3名)で,3例が術前細胞診でMTCを疑われた。RET遺伝子検査は1例術前,3例術後に施行し,散発性3例,MEN2A1例であった(1例拒否)。 MTCを疑う場合,ATAガイドラインでは全摘術を推奨している。一方術後にMTCと判明した散発性症例に関して,補完全摘は必ずしも推奨されない。当院では散発性2例に非全摘術を施行し,追加治療は施行していない。 今後の方針として,術前遺伝学的検査の徹底をすること,治療は...

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Published in頭頸部外科 Vol. 27; no. 2; pp. 235 - 239
Main Authors 岡, 愛子, 花川, 浩之, 門田, 伸也, 橋本, 香里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.10.2017
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.27.235

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Summary:2015年米国甲状腺学会(ATA)ガイドライン改訂に伴い,当院における甲状腺髄様癌(MTC)治療との比較を行った。 2000年~2016年の間に当院で診断・治療されたMTCは5例(男性2名,女性3名)で,3例が術前細胞診でMTCを疑われた。RET遺伝子検査は1例術前,3例術後に施行し,散発性3例,MEN2A1例であった(1例拒否)。 MTCを疑う場合,ATAガイドラインでは全摘術を推奨している。一方術後にMTCと判明した散発性症例に関して,補完全摘は必ずしも推奨されない。当院では散発性2例に非全摘術を施行し,追加治療は施行していない。 今後の方針として,術前遺伝学的検査の徹底をすること,治療は甲状腺全摘術を原則(症例により非全摘も考慮)とすることを確認した。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.27.235