進行喉頭下咽頭癌治療における化学放射線同時併用療法と拡大手術の選択 化学放射線同時併用療法の選択基準についての考察

進行喉頭・下咽頭癌の治療では，喉頭全摘術を伴う拡大切除術か化学放射線同時併用療法（CCRT）かの選択に悩むことが少なくない。CCRTで喉頭温存が可能となる症例をいかに推測できるかについて，対象を原発巣に対する治療法がCCRTを主体に治療した群と手術を主体に治療した群にわけ後ろ向きに検討した。その結果，今回の検討では腫瘍の大きさなどの臨床的因子からも，導入化学療法に対する反応という腫瘍生物学的因子からも推測は困難であった。また，無局所再発生存率，無領域再発生存率，疾患特異的生存率はCCRT主体群で58.2％，55.2％，30.2％，手術主体群でそれぞれ91.6％，76.4％，61.1％といずれも...

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Published in頭頸部外科 Vol. 25; no. 3; pp. 275 - 282
Main Authors 別府, 武, 得丸, 貴夫, 藤川, 太郎, 岡野, 渉, 山田, 雅人, 畑中, 章生, 白倉, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 28.02.2016
Subjects
chemoselection
化学放射線同時併用療法
喉頭摘出を伴う拡大切除術
導入化学療法
進行喉頭・下咽頭癌
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Summary:進行喉頭・下咽頭癌の治療では，喉頭全摘術を伴う拡大切除術か化学放射線同時併用療法（CCRT）かの選択に悩むことが少なくない。CCRTで喉頭温存が可能となる症例をいかに推測できるかについて，対象を原発巣に対する治療法がCCRTを主体に治療した群と手術を主体に治療した群にわけ後ろ向きに検討した。その結果，今回の検討では腫瘍の大きさなどの臨床的因子からも，導入化学療法に対する反応という腫瘍生物学的因子からも推測は困難であった。また，無局所再発生存率，無領域再発生存率，疾患特異的生存率はCCRT主体群で58.2％，55.2％，30.2％，手術主体群でそれぞれ91.6％，76.4％，61.1％といずれも手術主体群が有意に優れていた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.25.275