患者の視点に立ち「真実の瞬間」を体験する外来実習の試み

近年, 医師が患者の立場を理解することの重要性が問われている.研修医にアンケートを行ったところ, 卒前教育として医療制度・経済や医の倫理について履修すべきとの回答を多く得たので, 2000年から, 医学科5年生を初診外来患者に終日同行させ, 医療の問題点を認識し, その解決法を討論する臨床実習を実施した.学生は, 会計終了後, 診療報酬明細書を出力し, 担当した患者の各種診療行為とその保険点数を確認した.実習後, 患者の気持や立場が理解できた, 待ち時間が長い, 保険点数が高いなどの感想をレポートした.これは, 医療人に対して, 患者に接する際の基本的素養を育てる実習であると考える....

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Published in医学教育 Vol. 34; no. 4; pp. 251 - 256
Main Authors 澤田, 芳枝, 佐藤, 哲郎, 王, 娜仁, 劉, 暁, 佐藤, 邦雄, 矢野, 新太郎, 酒巻, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 25.08.2003
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Summary:近年, 医師が患者の立場を理解することの重要性が問われている.研修医にアンケートを行ったところ, 卒前教育として医療制度・経済や医の倫理について履修すべきとの回答を多く得たので, 2000年から, 医学科5年生を初診外来患者に終日同行させ, 医療の問題点を認識し, その解決法を討論する臨床実習を実施した.学生は, 会計終了後, 診療報酬明細書を出力し, 担当した患者の各種診療行為とその保険点数を確認した.実習後, 患者の気持や立場が理解できた, 待ち時間が長い, 保険点数が高いなどの感想をレポートした.これは, 医療人に対して, 患者に接する際の基本的素養を育てる実習であると考える.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.34.251