1)裂肛,痔瘻の合併する時 2)肛門狭窄の場合

痔核に合併する(1)裂肛(2)痔瘻(3)肛門狭窄の際,何れを主病変として外科的処置を行うかは個々の症例の病変部の状態から決定されるのであるが,我々が日常行っている上記合併症のある場合の手術処置の実際について述べた.要約すると, (1)裂肛合併の場合 痔核をmainとして処理する.痔核切除は,L.E.法による.裂肛は用指拡張後創の新鮮化を計りdrainageをよくするだけで殆んど治癒するが,裂肛が古く潰瘍の深い場合は潰瘍切除後,主として後方1カ所のみでS.S,G.を行う. (2)痔瘻合併の場合 痔瘻を優先的に処置し痔核切除は従とし,術後の狭窄予防の為にオーバーな痔核の切除は避ける. (3)肛門狭...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 460 - 467,491
Main Authors 尾関, 武郎, 田内, 力, 升森, 茂樹, 越村, 吉郎, 野垣, 成吉, 野垣, 正宏, 野垣, 正樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 1979
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.32.5_460

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Summary:痔核に合併する(1)裂肛(2)痔瘻(3)肛門狭窄の際,何れを主病変として外科的処置を行うかは個々の症例の病変部の状態から決定されるのであるが,我々が日常行っている上記合併症のある場合の手術処置の実際について述べた.要約すると, (1)裂肛合併の場合 痔核をmainとして処理する.痔核切除は,L.E.法による.裂肛は用指拡張後創の新鮮化を計りdrainageをよくするだけで殆んど治癒するが,裂肛が古く潰瘍の深い場合は潰瘍切除後,主として後方1カ所のみでS.S,G.を行う. (2)痔瘻合併の場合 痔瘻を優先的に処置し痔核切除は従とし,術後の狭窄予防の為にオーバーな痔核の切除は避ける. (3)肛門狭窄の場合 肛門部手術,注射(腐蝕)療法,或は冷凍療法の結果として発生した肛門狭窄に対しては,S.S.G.を行っている.狭窄部の縦の皮膚切開は,後方6時の1カ所で行う場合が多いが,狭窄がひどく止む得ぬ場合は稀に後方及び側方の2~3カ所でS.S.G.を行う場合もある.この際の痔核切除に対しても必要最少限に止め症例によっては硬化療法を併用する. S.S.G.(Sliding Skin Graft) Digital Dilatation(用指拡張) L.E.(Ligation and Excision)
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.32.5_460