椎体変形におけるdual-energy X-ray absorptiometry(DXA)腰椎正面測定と側面測定の骨密度の比較:ファントム評価

腰椎骨密度は初期の骨密度変化を把握できるため,治療効果の判定に用いられている.しかし,二次元測定であるdual-energy X-ray absorptiometry(DXA)は腰椎変形がある場合には適用外となる.本研究では,変形している場合の正面・側面測定結果を比較し,腰椎骨密度の評価の可能性を検討することを目的とした.脊柱後弯を想定し,腰椎ファントムを0度~40度まで10度ずつ傾けた場合と,側弯を想定し,左右に0度~10度まで5度ずつ傾けたときの正面,側面測定の値を比較した.後弯している場合は側面測定が,側弯している場合は正面測定が高精度であること,受像面に対して平行面上での回転の影響は小...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 171 - 179
Main Authors 竹谷, 明, 石田, 悟, 戸澤, 光行, 稲岡, 努, 寺田, 一志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 20.02.2022
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Summary:腰椎骨密度は初期の骨密度変化を把握できるため,治療効果の判定に用いられている.しかし,二次元測定であるdual-energy X-ray absorptiometry(DXA)は腰椎変形がある場合には適用外となる.本研究では,変形している場合の正面・側面測定結果を比較し,腰椎骨密度の評価の可能性を検討することを目的とした.脊柱後弯を想定し,腰椎ファントムを0度~40度まで10度ずつ傾けた場合と,側弯を想定し,左右に0度~10度まで5度ずつ傾けたときの正面,側面測定の値を比較した.後弯している場合は側面測定が,側弯している場合は正面測定が高精度であること,受像面に対して平行面上での回転の影響は小さいことがわかった.しかしながら,変形の方向に対して平行に測定できるとは限らないため,2方向で測定することでより精度が向上すると考えられる.今まで測定不可とされていた変形性腰椎症の患者でも腰椎骨密度を評価できる可能性が認められた.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.780207