前立腺肥大症に対する新しい低侵襲レーザー治療:PVP(Photoselective Vaporization of the Prostate:光選択式前立腺蒸散術)

前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia:BPH)による下部尿路閉塞に対する確立された標準手術は経尿道的前立腺切除術(Transurethral prostatectomy:TURP)である.近年,高齢化社会の進展とともに,より患者に対して低侵襲であり,術者にとってもより簡便な手術方法が開発・模索されている.我々は,最新の低侵襲レーザー手術治療である光選択式前立腺蒸散術(PVP)を前立腺肥大症患者97名に施行し,術後1年における安全性と有効性を検討した.すべての患者に80 W Potassium-titanyl-phosphate(KTP)レーザーによる PVPが...

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Bibliographic Details
Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 29; no. 4; pp. 401 - 407
Main Authors 杉村, 芳樹, 黒松, 功, 堀, 靖英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 2009
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.29.401

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Summary:前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia:BPH)による下部尿路閉塞に対する確立された標準手術は経尿道的前立腺切除術(Transurethral prostatectomy:TURP)である.近年,高齢化社会の進展とともに,より患者に対して低侵襲であり,術者にとってもより簡便な手術方法が開発・模索されている.我々は,最新の低侵襲レーザー手術治療である光選択式前立腺蒸散術(PVP)を前立腺肥大症患者97名に施行し,術後1年における安全性と有効性を検討した.すべての患者に80 W Potassium-titanyl-phosphate(KTP)レーザーによる PVPが施行され,術中術後において重篤な合併症も無く,出血もほとんど認めず,輸血も必要としなかった.排尿状態は,術直後より改善し,1年経過しても効果は持続していた.術後副作用としては一過性の排尿困難などを認めるのみで軽微であった.抗凝固療法施行症例に対しても80W KTPレーザーによるPVPは安全かつ効果的な手術手技であることも示された.本稿では,我々のPVP治療の経験を報告するとともに,最新の文献によるPVPの有効性と将来性について考察した.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.29.401