女性医療スタッフの職業被ばくに対する認識と放射線防護対策の実態に関する調査

関東圏の6カ所の病院に勤務する女性スタッフ(看護師・医師・診療放射線技師)全員の2,664名を対象に医療放射線利用に伴う職業被ばくに対する不安や防護・管理方策の実態を把握するために、無記名自記式質問紙調査を実施した。現在あるいは過去に放射線診療業務の経験を持つ者は35.4%であった。放射線業務の経験の有無にかかわらず、42.6%が透視検査やIVRに伴う職業被ばくに対して不安を抱いていた。現在、放射線診療に従事している女性スタッフ(369名)の個人モニタの装着率は、腹部1カ所のみが49.1%、腹部と頸部の2カ所が47.9%であった。日本の放射線防護法令で規定している「生殖可能年齢の女性に対する実...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 13; no. 1; pp. 13 - 22
Main Authors 加藤, 知子, 草間, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 30.06.2025
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Summary:関東圏の6カ所の病院に勤務する女性スタッフ(看護師・医師・診療放射線技師)全員の2,664名を対象に医療放射線利用に伴う職業被ばくに対する不安や防護・管理方策の実態を把握するために、無記名自記式質問紙調査を実施した。現在あるいは過去に放射線診療業務の経験を持つ者は35.4%であった。放射線業務の経験の有無にかかわらず、42.6%が透視検査やIVRに伴う職業被ばくに対して不安を抱いていた。現在、放射線診療に従事している女性スタッフ(369名)の個人モニタの装着率は、腹部1カ所のみが49.1%、腹部と頸部の2カ所が47.9%であった。日本の放射線防護法令で規定している「生殖可能年齢の女性に対する実効線量限度」について「必要である」67.0%、「必要でない」1.2%であった。放射線防護対策に関する教育の充実や適切な放射線管理の徹底、生殖年齢にある女性の線量限度の必要性が示唆された。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.24-007