すりガラス状結節に対する胸腔鏡下肺切除術における術中可動型CT(O-arm)の使用経験―触知不能肺腫瘍に対する新たなアプローチ法

O-arm Surgical Imaging Systemは,術中に2D及び3Dイメージングが可能なX線透視装置である.呼吸器外科領域でO-armを用いた手術の報告はされていない.我々は,すりガラス状結節(ground glass nodule;GGN)の症例に対しO-armが有用と考え手術を施行した.術中に腫瘍近傍と思われる臓側胸膜に糸付き針でマーキングし,両肺換気下にO-armを用いて術中computed tomography(CT)撮影を施行した.術中CT画像を参考に針マーキングと腫瘍の位置関係を把握し切除した.症例は80歳女性.術前CTで左上葉に10 mm大のGGNを認めた.O-arm...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 6; pp. 712 - 717
Main Authors 大高, 和人, 高橋, 康宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.28.712

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Summary:O-arm Surgical Imaging Systemは,術中に2D及び3Dイメージングが可能なX線透視装置である.呼吸器外科領域でO-armを用いた手術の報告はされていない.我々は,すりガラス状結節(ground glass nodule;GGN)の症例に対しO-armが有用と考え手術を施行した.術中に腫瘍近傍と思われる臓側胸膜に糸付き針でマーキングし,両肺換気下にO-armを用いて術中computed tomography(CT)撮影を施行した.術中CT画像を参考に針マーキングと腫瘍の位置関係を把握し切除した.症例は80歳女性.術前CTで左上葉に10 mm大のGGNを認めた.O-armを用いた術中CTで病変が明確に描出され,病理学的に完全切除が可能だった.術中CT撮影は2回施行した.触知不能な肺病変に対する新たなアプローチ方法として,O-armは有用である可能性がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.712