VIII.CKD-MBDを意識した保存期腎不全患者のリン管理

CKD-MBD(chronic kidney disease-mineral and bone disorder)の3要素,検査値異常,骨代謝異常,異所性石灰化のどれもが保存期に始まる.特に糖尿病では血管石灰化が保存期でも進展している.検査値異常に関しては,日本人では二次性副甲状腺機能亢進症の頻度は高いが,欧米人に比しリン値は低い.しかし,透析導入直前には高リン血症の頻度は高い.正常範囲の血清リン値に介入する必要はないが,高値になれば食事療法,それでも無理ならリン吸着薬は必要になる.保存期における尿中Ca排泄はほぼゼロであるため,Ca非含有リン吸着薬が推奨される....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 5; pp. 959 - 965
Main Author 濱野, 高行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.05.2017
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.106.959

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Summary:CKD-MBD(chronic kidney disease-mineral and bone disorder)の3要素,検査値異常,骨代謝異常,異所性石灰化のどれもが保存期に始まる.特に糖尿病では血管石灰化が保存期でも進展している.検査値異常に関しては,日本人では二次性副甲状腺機能亢進症の頻度は高いが,欧米人に比しリン値は低い.しかし,透析導入直前には高リン血症の頻度は高い.正常範囲の血清リン値に介入する必要はないが,高値になれば食事療法,それでも無理ならリン吸着薬は必要になる.保存期における尿中Ca排泄はほぼゼロであるため,Ca非含有リン吸着薬が推奨される.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.106.959