乳がん術後に放射線治療を受けている患者のスキンケアに関する実態調査

乳がん術後に放射線治療を受けている患者のスキンケアに関する実態を明らかにすることを目的にWebアンケート調査を実施した。調査には全国11カ所の放射線治療施設が協力し、95名の対象者から回答が得られた。放射線治療開始前にスキンケアのオリエンテーションを受けた者は84名、スキンケアを実施している者は72名で、32名がスキンケアに不安を感じていた。オリエンテーションを受けた者はスキンケアを実施している割合が有意に多いものの、スキンケアに対する不安の有無に有意な差はなかった。スキンケアに関する気がかりは、現在生じている放射線皮膚炎の症状のみならず、放射線治療終了後の症状とその対処方法に及ぶことが明らか...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 13; no. 1; pp. 23 - 30
Main Authors 宮前, 奈央, 永安, 真弓, 山内, 洋子, 片岡, 忍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 30.06.2025
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Summary:乳がん術後に放射線治療を受けている患者のスキンケアに関する実態を明らかにすることを目的にWebアンケート調査を実施した。調査には全国11カ所の放射線治療施設が協力し、95名の対象者から回答が得られた。放射線治療開始前にスキンケアのオリエンテーションを受けた者は84名、スキンケアを実施している者は72名で、32名がスキンケアに不安を感じていた。オリエンテーションを受けた者はスキンケアを実施している割合が有意に多いものの、スキンケアに対する不安の有無に有意な差はなかった。スキンケアに関する気がかりは、現在生じている放射線皮膚炎の症状のみならず、放射線治療終了後の症状とその対処方法に及ぶことが明らかとなった。本研究結果より、放射線治療を受ける乳がん術後患者が安心してスキンケアを行うために、放射線治療中から治療終了後も継続的にサポートが受けられる看護体制を構築する必要性が示唆された。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.24-009