2020年 改訂 IgG4関連疾患包括診断基準―The 2020 Revised Comprehensive Diagnostic(RCD)Criteria for IgG4-RD ―厚生労働省難治性疾患等政策研究事業 IgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究班

IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は,Mikulicz病,自己免疫疾患,間質性腎炎,前立腺炎,後腹膜線維症等多彩な疾患を含む病態で,今世紀に本邦から発信された興味深い疾患である.厚生労働省のIgG4関連疾患研究班は,2011年に世界で初めての診断基準であるIgG4関連疾患包括診断基準を発表した.これにより,この新疾患は広く世界に受け入れられ,世界中から多くの報告がなされた.しかし,実臨床においては,生検組織が得られない組織があること,血清IgG4(immunoglobulin G4)値や組織中IgG4陽性細胞数のカットオフ値に対する感度・特異度等の問題...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 110; no. 5; pp. 962 - 969
Main Authors 梅原, 久範, 石坂, 信和, 岡崎, 和一, 川, 茂幸, 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業IgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究班, IgG4関連疾患包括診断基準改訂ワーキンググループ, 後藤, 浩, 高橋, 裕樹, 佐藤, 康晴, 松井, 祥子, 川野, 充弘, 赤水, 尚史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.05.2021
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.110.962

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Summary:IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は,Mikulicz病,自己免疫疾患,間質性腎炎,前立腺炎,後腹膜線維症等多彩な疾患を含む病態で,今世紀に本邦から発信された興味深い疾患である.厚生労働省のIgG4関連疾患研究班は,2011年に世界で初めての診断基準であるIgG4関連疾患包括診断基準を発表した.これにより,この新疾患は広く世界に受け入れられ,世界中から多くの報告がなされた.しかし,実臨床においては,生検組織が得られない組織があること,血清IgG4(immunoglobulin G4)値や組織中IgG4陽性細胞数のカットオフ値に対する感度・特異度等の問題が生じてきた.そのため,厚生労働省IgG4関連疾患研究班は,IgG4関連疾患包括診断基準2011を改訂した,2020年 改訂 IgG4関連疾患包括診断基準を提唱する.改訂基準は,1)臨床的・放射線学的診断,2)血清学的診断,3)病理学的診断の3項目からなる.さらに,改訂された病理学的診断基準は,従来の2項目に加え,花筵様線維化と閉塞性静脈炎を含めた3項目から構成される.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.110.962