六郷扇状地における池を用いた地下水人工渦養の実験

六郷扇状地は.39°25'N.140°34'Eの周辺にある.標高90mの扇頂と標高45mの扇端との問は約4kmである.ここで池を用いた地下水人工涵養の実験を実施した.期間は.1998年4月13日から4月27日までの14日間である.涵養池は扇央に設置した.池底の面積は1,045m2.深さは3mである.扇状地の帯水層は主に砂礫から成り.透水係数は10°~10-2cm/secのオーダにあり.比産出率は20%強である. 本実験の結果.つぎの点が明らかにされた.1.涵養期間中の池への平均給水量は.71.2l/秒.この間の池底からの平均浸透速度は.24.5cm/時であった.2.涵養池か...

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Published in地下水学会誌 Vol. 41; no. 1; pp. 23 - 33
Main Authors 肥田, 登, 太田, 由紀子, 石川, 悦郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 1999
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ISSN0913-4182
2185-5943
DOI10.5917/jagh1987.41.23

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Summary:六郷扇状地は.39°25'N.140°34'Eの周辺にある.標高90mの扇頂と標高45mの扇端との問は約4kmである.ここで池を用いた地下水人工涵養の実験を実施した.期間は.1998年4月13日から4月27日までの14日間である.涵養池は扇央に設置した.池底の面積は1,045m2.深さは3mである.扇状地の帯水層は主に砂礫から成り.透水係数は10°~10-2cm/secのオーダにあり.比産出率は20%強である. 本実験の結果.つぎの点が明らかにされた.1.涵養期間中の池への平均給水量は.71.2l/秒.この間の池底からの平均浸透速度は.24.5cm/時であった.2.涵養池から480m下流の観測井では.給水を開始後2日めより地下水位は上昇を始め.同11日めに最高水位を記録した.この間の水位の上昇高は.1.40mであった.3.涵養を実施している間.涵養池の下部には地下水堆が形成された.4.地下水堆の形成により.涵養池の西~北西方向の一帯において.地下水面は上昇した.扇端にある琴平観測井の4月の地下水位は.平年的には低下するが.人工涵養を実施することによって一定の高さを推移した.5.人工涵養により地下水位の保全を図れる範囲は.扇端の湧泉帯までである.地下水は.この湧泉帯から流出する.
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh1987.41.23