症例 右心室pacingにより心室細動を抑制しえたRomano-Ward症候群の1例,およびその家系
45歳,女.37歳より時々失神痙攣発作あり,1974年12月23日入院.心電図にてQTc 0.60~0.74に高度延長,心室性期外収縮頻発,心室細動発生,直流通電による除細動を2回行った.Lidoeaine, propranolol, diphenylhydantoin,digitallsなどを用いるも心室性期外収縮を抑制しえず,星状神経節ブロックも無効であった.しかし自発リズムよりやや多い70/分の右室刺激にて期外収縮ほぼ消失.刺激を一時中止すると連発性期外収縮出現.68日間の一過性ペーシング持続ののち心内膜デマンド型ペースメーカを右室に植込んだ.1975年3月26日退院,以後日常生活をいと...
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Published in | 心臓 Vol. 9; no. 1; pp. 80 - 86 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
01.01.1977
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.9.1_80 |
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Summary: | 45歳,女.37歳より時々失神痙攣発作あり,1974年12月23日入院.心電図にてQTc 0.60~0.74に高度延長,心室性期外収縮頻発,心室細動発生,直流通電による除細動を2回行った.Lidoeaine, propranolol, diphenylhydantoin,digitallsなどを用いるも心室性期外収縮を抑制しえず,星状神経節ブロックも無効であった.しかし自発リズムよりやや多い70/分の右室刺激にて期外収縮ほぼ消失.刺激を一時中止すると連発性期外収縮出現.68日間の一過性ペーシング持続ののち心内膜デマンド型ペースメーカを右室に植込んだ.1975年3月26日退院,以後日常生活をいとなんでいる.家系調査にて母方3代23例中4例に失神発作,9例にQT延長をみとめた.聴力その他の異常はなかった.以上よりRomano-Ward症候群と診断した.文献上,本症候群およびJervell-Lange-Nielsen症候群に対するペースメーカ治療は7例報告され,うち5例にて有効であった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.9.1_80 |