IgM型Human anti-mouse antibody(HAMA)によりCK-MB蛋白量が異常高値を呈した1例

クレアチンキナーゼMB分画(creatinine kinase MB; CK-MB)蛋白量が偽高値を呈した1例を,経験した。総クレアチンキナーゼ(creatine kinase; CK)活性が14 U/Lと低値にもかかわらず,CK-MB蛋白量が177.2 ng/mLと高値であった。しかし,同様の心筋傷害マーカーであるトロポニンTはカットオフ値未満であった。本症例のCKアイソザイムおよびCK-MB蛋白量測定における反応タイムコースに,異常はみられなかった。CK-MB蛋白量測定において希釈直線性がなく,IgMが高値であること,加温試験後でもCK-MB蛋白量に変化がなかったことから,IgMによる非特...

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Published in医学検査 Vol. 69; no. 3; pp. 468 - 473
Main Authors 淺沼, 康一, 髙橋, 祐輔, 髙橋, 聡, 遠藤, 輝夫, 前田, 瑛真, 田中, 真輝人, 梅森, 祥央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.07.2020
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.19-100

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Summary:クレアチンキナーゼMB分画(creatinine kinase MB; CK-MB)蛋白量が偽高値を呈した1例を,経験した。総クレアチンキナーゼ(creatine kinase; CK)活性が14 U/Lと低値にもかかわらず,CK-MB蛋白量が177.2 ng/mLと高値であった。しかし,同様の心筋傷害マーカーであるトロポニンTはカットオフ値未満であった。本症例のCKアイソザイムおよびCK-MB蛋白量測定における反応タイムコースに,異常はみられなかった。CK-MB蛋白量測定において希釈直線性がなく,IgMが高値であること,加温試験後でもCK-MB蛋白量に変化がなかったことから,IgMによる非特異反応を疑った。そこで,Dithiothreitol処理およびHuman anti-mouse antibody(HAMA)吸収試験を行ったところ,本症例血清の測定値は著明に低下した。以上の結果より,本症例におけるCK-MB蛋白量の異常高値は,IgM型HAMAが原因の非特異反応であることが明らかとなった。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.19-100