医学生, 医療従事者の結核に対する意識調査
今後の院内感染防止対策の方向性を探ることを目的に結核に関する意識調査を行った。結核についての関心の高さ, 対応, 基礎的知識につき調査した。対象は40歳未満の医歯学部学生・医師・看護系職員・技師・薬剤師・事務職員である。1999年~2001年にかけて調査し2159件につき解析した。結核に対して関心があると答えた者は61.8%であったが, 実際に講演会に出席したり資料を収集すると答えた者は3.0%にすぎなかった。看護系職員の69.6%が感染や発病に対する不安を有しており, その比率は他に比べ有意に高かった。68.2%が結核検診の実施を希望していた。結核の基本的知識を問う設問では医師を含め正解率は...
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Published in | 結核 Vol. 77; no. 6; pp. 457 - 463 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本結核病学会
15.06.2002
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Summary: | 今後の院内感染防止対策の方向性を探ることを目的に結核に関する意識調査を行った。結核についての関心の高さ, 対応, 基礎的知識につき調査した。対象は40歳未満の医歯学部学生・医師・看護系職員・技師・薬剤師・事務職員である。1999年~2001年にかけて調査し2159件につき解析した。結核に対して関心があると答えた者は61.8%であったが, 実際に講演会に出席したり資料を収集すると答えた者は3.0%にすぎなかった。看護系職員の69.6%が感染や発病に対する不安を有しており, その比率は他に比べ有意に高かった。68.2%が結核検診の実施を希望していた。結核の基本的知識を問う設問では医師を含め正解率は半数に満たなかった。 以上より, 医学生・医療従事者は結核に対する不安や関心を有してはいるが, 自発的に学習しているわけではなく, 知識も不十分であることが明らかになった。しかし, 機会さえ与えられれば結核の院内感染防止対策に対応する素地は整っており, 教育・検診などについて組織的な取り組みを行う価値があると思われた。一方, 事務系職員は結核に対する知識や危機意識が低かった。窓口業務などを介しての感染のリスクも考えられるため, 結核についての啓蒙が必要と思われた。 |
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ISSN: | 0022-9776 1884-2410 |
DOI: | 10.11400/kekkaku1923.77.457 |