副咽頭間隙に転移をきたした甲状腺乳頭癌の1例

症例は43歳,女性。昭和63年(29歳時),甲状腺右葉切除術が施行されていた。平成12年10月頃から嚥下時違和感,咽頭腫脹感を自覚し,CT・MRI画像上,副咽頭間隙に多発性嚢胞性病変を認めた。甲状腺乳頭癌の咽頭後リンパ節転移と診断し,腫瘍摘出術を行った。周囲組織は癒着が強く,嚢胞性転移であったため,広い視野を得るためにmandibular swing法にて摘出した。転移リンパ節の病理所見は高分化型乳頭癌の像であった。甲状腺癌の咽頭後リンパ節への転移は非常に稀だが多発性にリンパ節転移を認める症例や頸部手術の既往のある症例では咽頭後リンパ節への転移の可能性を考える必要がある。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 13; no. 3; pp. 67 - 71
Main Authors 山岡, 秀之, 三上, 康和, 佃, 守, 持松, いづみ, 田口, 享秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.03.2004
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.13.67

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Summary:症例は43歳,女性。昭和63年(29歳時),甲状腺右葉切除術が施行されていた。平成12年10月頃から嚥下時違和感,咽頭腫脹感を自覚し,CT・MRI画像上,副咽頭間隙に多発性嚢胞性病変を認めた。甲状腺乳頭癌の咽頭後リンパ節転移と診断し,腫瘍摘出術を行った。周囲組織は癒着が強く,嚢胞性転移であったため,広い視野を得るためにmandibular swing法にて摘出した。転移リンパ節の病理所見は高分化型乳頭癌の像であった。甲状腺癌の咽頭後リンパ節への転移は非常に稀だが多発性にリンパ節転移を認める症例や頸部手術の既往のある症例では咽頭後リンパ節への転移の可能性を考える必要がある。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.13.67