結核病棟退院基準の変更が入院期間に及ぼす影響
〔目的〕結核病棟の退院基準を培養陰性化から塗抹陰性化へ変更したことにより,入院日数に及ぼす影響とその妥当性を検討した。〔対象と方法〕2003年1月~12月に新基準により入院治療し退院した245例(1群)と2000年1月~2002年12月に旧基準により退院した469症例(II群)を対象とした。I群とII群の入院日数を比較し,I群における基準の適用率を算定した。〔結果〕入院日数の中央値は1群70日およびII群83日であった。その短縮効果は20歳代,30歳代,および70歳代,軽~ 中等症に認められたが,中高年層,重症例,高度排菌例,耐性結核では差がなかった。塗抹陰性化による退院基準は44%に適用され...
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Published in | 結核 Vol. 80; no. 10; pp. 631 - 636 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本結核病学会
2005
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Subjects | |
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Summary: | 〔目的〕結核病棟の退院基準を培養陰性化から塗抹陰性化へ変更したことにより,入院日数に及ぼす影響とその妥当性を検討した。〔対象と方法〕2003年1月~12月に新基準により入院治療し退院した245例(1群)と2000年1月~2002年12月に旧基準により退院した469症例(II群)を対象とした。I群とII群の入院日数を比較し,I群における基準の適用率を算定した。〔結果〕入院日数の中央値は1群70日およびII群83日であった。その短縮効果は20歳代,30歳代,および70歳代,軽~ 中等症に認められたが,中高年層,重症例,高度排菌例,耐性結核では差がなかった。塗抹陰性化による退院基準は44%に適用されていた。〔考察〕約半数の症例は新基準でより早期に退院が可能であったが,社会的要因や合併症を有する患者では必ずしも退院基準が適用できなかった。退院後の治療継続や安全性,周囲への感染防御を考慮すると,入院の短縮に伴ってDOTSの拡大が必要と思われた。〔結論〕退院基準の主体を塗抹陰性化に変更すると44%の症例でより早期に退院が可能となり,全体として約2週間短縮された。 |
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ISSN: | 0022-9776 1884-2410 |
DOI: | 10.11400/kekkaku1923.80.631 |