結核性胸膜炎の治療中に対側の胸水をきたし, 慢性呼吸不全となった1症例

症例は74歳男性。微熱を伴う右胸水貯留にて発症。喀痰や胸水の培養では結核菌陰性であったが, 胸膜生検の培養にて結核菌を認めた。治療は, イソニアジド (INH) 300mg/日, リファンピシン (RFP) 600mg/日, ピラジナミド (PZA) 1200mg/日にて施行。一時的には発熱は軽快したが, 1週間後より, 38.0℃以上の発熱をきたし, 化学療法より第17日目の胸部レントゲンにて左胸水貯留を認め, 左胸水検査にてリンパ球浸潤を認めたが, 胸水培養では結核菌は陰性であった。抗結核療法に対する奇異性反応と考え, 3日間の休薬後に, さらにプレドニゾロン投与を追加して初期治療を再開し...

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Published in結核 Vol. 77; no. 7; pp. 527 - 531
Main Authors 伊藤, 秀一, 岡村, 城志, 駿田, 直俊, 伊藤, 康夫, 藤本, 尚, 石口, 正, 東本, 有司, 西山, 明秀, 川辺, 和美, 大畑, 雅洋, 小野, 英也, 上田, 晃子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.07.2002
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.77.527

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Summary:症例は74歳男性。微熱を伴う右胸水貯留にて発症。喀痰や胸水の培養では結核菌陰性であったが, 胸膜生検の培養にて結核菌を認めた。治療は, イソニアジド (INH) 300mg/日, リファンピシン (RFP) 600mg/日, ピラジナミド (PZA) 1200mg/日にて施行。一時的には発熱は軽快したが, 1週間後より, 38.0℃以上の発熱をきたし, 化学療法より第17日目の胸部レントゲンにて左胸水貯留を認め, 左胸水検査にてリンパ球浸潤を認めたが, 胸水培養では結核菌は陰性であった。抗結核療法に対する奇異性反応と考え, 3日間の休薬後に, さらにプレドニゾロン投与を追加して初期治療を再開したが, 両側胸水貯留と低酸素血症は持続した。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.77.527