腹腔鏡下大腸癌手術後の静脈血栓塞栓症対策 フォンダパリヌクスを用いた予防プロトコールの安全性

要旨:新規抗凝固薬フォンダパリヌクスを用いた術後静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)予防プロトコールを作成し,腹腔鏡下大腸癌手術74例に適用した。手術終了から24時間以上経過した後にフォンダパリヌクスの初回投与を行い,術後5日まで1日1回,計5回投与した。硬膜外カテーテルは最終投与から24時間以上経過した後に抜去した。プロトコールのコンプライアンスは良好であり,硬膜外カテーテル関連合併症を認めなかった。1例の有症状VTEの発生を認めた。予防プロトコール適用前群との比較において,適用群における出血を含む合併症の増加は認めなかった。当科の予防プロトコールは腹腔鏡下...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 7; pp. 1137 - 1144
Main Authors 及川, 郁雄, 西舘, 敏彦, 曽ヶ端, 克哉, 沖田, 憲司, 古畑, 智久, 山口, 洋志, 伊東, 竜哉, 久木田, 和晴, 平田, 公一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2013
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.33.1137

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Summary:要旨:新規抗凝固薬フォンダパリヌクスを用いた術後静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)予防プロトコールを作成し,腹腔鏡下大腸癌手術74例に適用した。手術終了から24時間以上経過した後にフォンダパリヌクスの初回投与を行い,術後5日まで1日1回,計5回投与した。硬膜外カテーテルは最終投与から24時間以上経過した後に抜去した。プロトコールのコンプライアンスは良好であり,硬膜外カテーテル関連合併症を認めなかった。1例の有症状VTEの発生を認めた。予防プロトコール適用前群との比較において,適用群における出血を含む合併症の増加は認めなかった。当科の予防プロトコールは腹腔鏡下大腸癌手術後に安全に適用可能であると考えられた。また,予防プロトコール適用群の中で,術後に血清D-dimer値の持続上昇を認めた群は,持続上昇を認めない群と比較してVTE発生の危険要素を多く持っていた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.1137