約3年間画像所見上変化を認めなかった細葉性肺結核の1例

症例は85歳男性。平成12年より右上肺野から右中肺野にかけて散在性の小粒状影を認めていたが, 無症状のため経過観察されていた。平成15年4月頃より咳噺を自覚したため, 近医を受診し, 胸部X線およびCT像で右上肺野を中心とした大小不同の微細な粒状影である細葉性陰影の散布を認めた。また平成12年に比し悪化は認められなかった。喀痰検査では塗抹は陰性, 8週間培養で10-20コロニー陽性, PCR法にてMycobacterium tuberculosis陽性を認め, 6月20日に当院に紹介入院となった。入院後, 陰影が結核性であるかを確定するために気管支鏡検査を施行し, 生検組織で乾酪性壊死を伴う類...

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Published in結核 Vol. 79; no. 8; pp. 475 - 479
Main Authors 高橋, 清, 平野, 淳, 宗田, 良, 木村, 五郎, 多田, 敦彦, 河田, 典子, 柴山, 卓夫, 瀧川, 奈義夫, 岡田, 千春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.08.2004
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.79.475

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Summary:症例は85歳男性。平成12年より右上肺野から右中肺野にかけて散在性の小粒状影を認めていたが, 無症状のため経過観察されていた。平成15年4月頃より咳噺を自覚したため, 近医を受診し, 胸部X線およびCT像で右上肺野を中心とした大小不同の微細な粒状影である細葉性陰影の散布を認めた。また平成12年に比し悪化は認められなかった。喀痰検査では塗抹は陰性, 8週間培養で10-20コロニー陽性, PCR法にてMycobacterium tuberculosis陽性を認め, 6月20日に当院に紹介入院となった。入院後, 陰影が結核性であるかを確定するために気管支鏡検査を施行し, 生検組織で乾酪性壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫および抗酸菌を認めた。INH, RFP, EBによる治療を開始し, 6カ月後の胸部CT像では陰影の改善が認められた。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.79.475