大腸癌イレウスに対する減圧法の検討 経肛門的イレウス管の功罪

大腸癌イレウスに対する経肛門的イレウス管による減圧術の臨床的有用性と治療成績について検討した。経肛門的イレウス管は75例中69例(92%)に留置可能であった。イレウス管留置例69例のうち1例(1.4%)に,減圧不良のため留置翌日に緊急減圧手術を施行した。また,減圧が可能であった68例中2例(2.9%)でイレウス管による穿孔が認められた。66例で待機手術が可能であり,61例(92.4%)で1期的吻合が可能であった。縫合不全を1例(1.64%)に認めた。経肛門的イレウス管による減圧は非常に有用であり,減圧後早期の手術をこころがけることにより,さらに安全で効果的な治療法として確立されていくものと考え...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 7; pp. 1137 - 1142
Main Authors 深澤, 貴子, 神藤, 修, 福本, 和彦, 鈴木, 昌八, 齋田, 康彦, 松本, 圭五, 宇野, 彰晋, 落合, 秀人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2012
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.32.1137

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Summary:大腸癌イレウスに対する経肛門的イレウス管による減圧術の臨床的有用性と治療成績について検討した。経肛門的イレウス管は75例中69例(92%)に留置可能であった。イレウス管留置例69例のうち1例(1.4%)に,減圧不良のため留置翌日に緊急減圧手術を施行した。また,減圧が可能であった68例中2例(2.9%)でイレウス管による穿孔が認められた。66例で待機手術が可能であり,61例(92.4%)で1期的吻合が可能であった。縫合不全を1例(1.64%)に認めた。経肛門的イレウス管による減圧は非常に有用であり,減圧後早期の手術をこころがけることにより,さらに安全で効果的な治療法として確立されていくものと考える。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.32.1137