神奈川県足柄下郡箱根町における特定外来生物オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata L.)の駆除活動による著しい個体数減少

一度侵入・定着してしまった外来生物を根絶、あるいは生態系等へ影響がほとんどなくなる水準まで低密度化することは、困難ではあるものの、科学的根拠に基づいた駆除方策を一定の強度をかけて継続的に実施することで、実現可能な目標になりうる。実際、近年では外来生物の根絶あるいは個体密度を著しく低下させることに成功したという報告も徐々に出てきている。神奈川県足柄下郡箱根町では、特定外来生物であるオオハンゴンソウの駆除活動を 10年以上にわたって継続した結果、駆除活動を開始した 2006年には町内各地に繁茂していた本種を、 2019年現在では発見が困難になるほどに減少させることに成功した。本稿は、箱根町における...

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Published in保全生態学研究 Vol. 25; no. 2; p. 2007
Main Authors 大澤, 剛士, 加藤, 和紀, 辻本, 明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生態学会 2020
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Summary:一度侵入・定着してしまった外来生物を根絶、あるいは生態系等へ影響がほとんどなくなる水準まで低密度化することは、困難ではあるものの、科学的根拠に基づいた駆除方策を一定の強度をかけて継続的に実施することで、実現可能な目標になりうる。実際、近年では外来生物の根絶あるいは個体密度を著しく低下させることに成功したという報告も徐々に出てきている。神奈川県足柄下郡箱根町では、特定外来生物であるオオハンゴンソウの駆除活動を 10年以上にわたって継続した結果、駆除活動を開始した 2006年には町内各地に繁茂していた本種を、 2019年現在では発見が困難になるほどに減少させることに成功した。本稿は、箱根町におけるオオハンゴンソウ駆除活動の内容と駆除成果の記録に基づき、個体数が著しく減少するに至るまでの過程および、継続的な駆除活動が行われる上で重要と考えられる要因を議論することで、他地域における参考情報を提供することを目的とする。
ISSN:1342-4327
2424-1431
DOI:10.18960/hozen.2007