経肘頭尺骨鉤状突起基部骨折(O'Driscoll分類Type III,subtype 2)の治療経験

経肘頭尺骨鉤状突起基部骨折8例の手術治療経験を報告する.基本手術方法は側臥位下に後方進入し各骨折を内固定とした.症例は男性4例,女性4例,平均50歳であった.前方型2例,後方型6例で,4例に鉤状突起のsublime tubercle(ST)骨片を有し,4例に分節したlesser sigmoid notch(LSN)骨片を認めた.平均経過観察期間14か月時,全例に全骨折箇所は癒合した.可動域(屈曲/伸展)は131/-10度,JOA-JES score 93点であった.内側腕尺関節早期関節症が1例,橈骨頭亜脱臼が2例に確認された.各々に順にST骨片,LSN骨片が存在したことより,両骨片への展開と内...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 119 - 122
Main Authors 難波, 二郎, 宮村, 聡, 岡本, 道雄, 山本, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2018
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Summary:経肘頭尺骨鉤状突起基部骨折8例の手術治療経験を報告する.基本手術方法は側臥位下に後方進入し各骨折を内固定とした.症例は男性4例,女性4例,平均50歳であった.前方型2例,後方型6例で,4例に鉤状突起のsublime tubercle(ST)骨片を有し,4例に分節したlesser sigmoid notch(LSN)骨片を認めた.平均経過観察期間14か月時,全例に全骨折箇所は癒合した.可動域(屈曲/伸展)は131/-10度,JOA-JES score 93点であった.内側腕尺関節早期関節症が1例,橈骨頭亜脱臼が2例に確認された.各々に順にST骨片,LSN骨片が存在したことより,両骨片への展開と内固定の関与不足が原因と考えた.過去,多くはuniversal-posteriorアプローチで治療されてきたが,上記骨片を有する例では展開に注意する必要性が示唆される.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.25.2_119