野球選手の肘尺側側副靱帯損傷に対する靭帯再建術(両側スーチャーアンカー固定法)の臨床成績

野球選手の肘関節尺側側副靱帯(UCL)損傷に対し,長掌筋腱を用い尺骨・上腕骨の両側をスーチャーアンカーで固定するUCL再建術を行い臨床成績を調査した.対象は全例男性,36例36肘,手術時年齢は平均19.4歳,投手27例,捕手4例,野手5例で,術後経過観察期間は平均18.5ヶ月であった.手術はUCL前方線維上のFDSの剥離とUCLレムナントの尺骨側の剥離を最小限とし,尺骨側は鉤状結節部に1つの浅い骨孔,上腕骨側は内側上顆を貫通する骨孔を空け,両側をスーチャーアンカーで縫着した.全例が平均10.2ヶ月で野球競技復帰を果たし,Conway-Jobe ratingはexcellent:29例,good...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 182 - 185
Main Authors 岩堀, 裕介, 伊藤, 岳史, 川島, 至, 梶田, 幸宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2022
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Summary:野球選手の肘関節尺側側副靱帯(UCL)損傷に対し,長掌筋腱を用い尺骨・上腕骨の両側をスーチャーアンカーで固定するUCL再建術を行い臨床成績を調査した.対象は全例男性,36例36肘,手術時年齢は平均19.4歳,投手27例,捕手4例,野手5例で,術後経過観察期間は平均18.5ヶ月であった.手術はUCL前方線維上のFDSの剥離とUCLレムナントの尺骨側の剥離を最小限とし,尺骨側は鉤状結節部に1つの浅い骨孔,上腕骨側は内側上顆を貫通する骨孔を空け,両側をスーチャーアンカーで縫着した.全例が平均10.2ヶ月で野球競技復帰を果たし,Conway-Jobe ratingはexcellent:29例,good:5 例,fair:1例であった.JOA-JESスポーツスコアは術前46.1点から術後93.4点に有意に改善した.本法はUCLレムナントを温存でき簡便にUCL再建できる有用な方法と思われた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.29.2_182