内視鏡処置具,留置スネア(結紮装置)の止血処置具としての有用性

1989年に筆者が考案した留置スネア(オリンパス,結紮装置)は,内視鏡的結紮を目的としている。非通電性のループを用いて消化管内の病巣を結紮し,その場に留置できる。この結紮装置は,大型隆起病変を切除する際の出血予防処置具として有用なだけでなく,種々の出血病巣に対する止血処置具としても極めて利用価値が高い。国立佐倉病院では1989年5月より1994年1月の間に,80症例に結紮装置による内視鏡的結紮を行ったが,そのうち71例が大型隆起病変を切除する際の出血予防,9例が出血性病変の止血のための結紮であった。止血目的で結紮を行った9例の内訳は,5例がポリペクトミー後の断端出血,3例が出血性ポリープ,1例...

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Published in消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy Vol. 45; pp. 60 - 62
Main Authors 蜂巣, 忠, 山田, 英夫, 後藤, 剛貞, 佐藤, 慎一, 木下, 由彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 1994
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Summary:1989年に筆者が考案した留置スネア(オリンパス,結紮装置)は,内視鏡的結紮を目的としている。非通電性のループを用いて消化管内の病巣を結紮し,その場に留置できる。この結紮装置は,大型隆起病変を切除する際の出血予防処置具として有用なだけでなく,種々の出血病巣に対する止血処置具としても極めて利用価値が高い。国立佐倉病院では1989年5月より1994年1月の間に,80症例に結紮装置による内視鏡的結紮を行ったが,そのうち71例が大型隆起病変を切除する際の出血予防,9例が出血性病変の止血のための結紮であった。止血目的で結紮を行った9例の内訳は,5例がポリペクトミー後の断端出血,3例が出血性ポリープ,1例が食道静脈瘤出血であった。結果は9例とも結紮によって直ちに止血し,再出血はなかった。なお80例すべてにおいて偶発症はなかった。
ISSN:0389-9403
2189-0021
DOI:10.11641/pdensks.45.0_60