ゲノム医療を受けるがん患者の受診動機づけ要因と結果の受容

目的:ゲノム医療を受けるがん患者の動機づけと結果の受容を明らかにする.方法:がんゲノム外来を受診した193名を対象に,遺伝子パネル検査の結果,受診の動機づけ,結果の受容について後方視野的に解析した.結果:検査を受けた39.3%にdruggable変異が提示され,8.9%が治療到達し,8.1%に二次的所見が判明した.動機づけとして,がん治療の探求,家族のがんリスクへの関心,最善を尽くす闘病スタイル,がんへの不安,医師の勧め,がんの原因の探求の6項目があった.説明を受けた患者の71.2%が受容し,28.7%が悲観したが理解した.結論:治療到達できなくとも,事前にゲノム医療の限界を説明することと,患...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護科学会誌 Vol. 44; pp. 208 - 217
Main Authors 池見, 亜也子, 鈴木, 敏夫, 関根, 郁夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本看護科学学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:ゲノム医療を受けるがん患者の動機づけと結果の受容を明らかにする.方法:がんゲノム外来を受診した193名を対象に,遺伝子パネル検査の結果,受診の動機づけ,結果の受容について後方視野的に解析した.結果:検査を受けた39.3%にdruggable変異が提示され,8.9%が治療到達し,8.1%に二次的所見が判明した.動機づけとして,がん治療の探求,家族のがんリスクへの関心,最善を尽くす闘病スタイル,がんへの不安,医師の勧め,がんの原因の探求の6項目があった.説明を受けた患者の71.2%が受容し,28.7%が悲観したが理解した.結論:治療到達できなくとも,事前にゲノム医療の限界を説明することと,患者の最善を尽くす闘病スタイルが,結果の受容を促進すると考えられた.患者の経過や価値観に応じ,チームで協働し説明することが,治療到達率が低い中で患者の満足度を高める可能性がある.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.44.208