初等中等教育における現代の教育ニーズに対する学習環境研究の動向

現代の初等中等教育では,学習環境に対する社会的ニーズ,技術環境が変化している.国内の学習環境に関する研究動向について,山内 (2020)の「空間」「人工物」「活動」「共同体」の4つの側面を手がかりにレビューを行った.まず,学習環境がどのような学問領域で研究対象とされているのかを調査した結果,日本教育工学会の論文がもっとも多く,「人工物」「活動」に着目していた.次に,日本教育工学会の論文のみを対象にレビューを行った結果,4つの側面の典型的な組み合わせとともに,「共同体」「空間」に関する研究が少ない状況にあることを検証した.これらの結果から,①知見が不足している領域に対するアプローチと,②蓄積され...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 47; no. 4; pp. 567 - 578
Main Authors 三井, 一希, 根本, 淳子, 仲谷, 佳恵, 池尻, 良平, 稲垣, 忠, 江木, 啓訓, 瀬戸崎, 典夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育工学会 20.12.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.47136

Cover

More Information
Summary:現代の初等中等教育では,学習環境に対する社会的ニーズ,技術環境が変化している.国内の学習環境に関する研究動向について,山内 (2020)の「空間」「人工物」「活動」「共同体」の4つの側面を手がかりにレビューを行った.まず,学習環境がどのような学問領域で研究対象とされているのかを調査した結果,日本教育工学会の論文がもっとも多く,「人工物」「活動」に着目していた.次に,日本教育工学会の論文のみを対象にレビューを行った結果,4つの側面の典型的な組み合わせとともに,「共同体」「空間」に関する研究が少ない状況にあることを検証した.これらの結果から,①知見が不足している領域に対するアプローチと,②蓄積されてきた知見を体系的にとらえる枠組みの構築の重要性を提言した.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.47136