徳島県で見出された国内外来由来のオヤニラミ個体群と遺伝的撹乱の懸念
絶滅危惧種オヤニラミの遺伝的保全管理に向け、両性遺伝する核 DNA上にある多型性に富むマイクロサテライト領域を対象にしたマイクロサテライトマーカーを 7種開発し、徳島県のオヤニラミの遺伝的多様性および遺伝的撹乱の有無を評価した。徳島県下 12標本個体群のうち、 10標本個体群がアレリックリッチネス 2.0未満を示し、徳島県のオヤニラミは遺伝的多様性が低かった。 STRUCTURE解析では徳島県桑野川支流南川の標本個体群は岡山県および広島県の標本個体群と同じクラスターに帰属したことから、南川では他地域由来の放流個体によって在来系統が深刻な遺伝的撹乱を受けていることが示された。また、本研究の遺伝的...
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Published in | 保全生態学研究 Vol. 25; no. 1; p. 1901 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生態学会
05.03.2020
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Subjects | |
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ISSN | 1342-4327 2424-1431 |
DOI | 10.18960/hozen.1901 |
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Summary: | 絶滅危惧種オヤニラミの遺伝的保全管理に向け、両性遺伝する核 DNA上にある多型性に富むマイクロサテライト領域を対象にしたマイクロサテライトマーカーを 7種開発し、徳島県のオヤニラミの遺伝的多様性および遺伝的撹乱の有無を評価した。徳島県下 12標本個体群のうち、 10標本個体群がアレリックリッチネス 2.0未満を示し、徳島県のオヤニラミは遺伝的多様性が低かった。 STRUCTURE解析では徳島県桑野川支流南川の標本個体群は岡山県および広島県の標本個体群と同じクラスターに帰属したことから、南川では他地域由来の放流個体によって在来系統が深刻な遺伝的撹乱を受けていることが示された。また、本研究の遺伝的多様性解析より、徳島県のオヤニラミ個体群における保全上の提言を行った。 |
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ISSN: | 1342-4327 2424-1431 |
DOI: | 10.18960/hozen.1901 |