外ケーブル式アーチ床版の静的耐荷力性能および破壊メカニズムに関する実験研究

本研究は、橋梁構造の少数主桁化に伴う床版の長支間化への対応策の一つとして、外ケーブル式アーチ床版を提案し、静荷重実験に対する耐荷力性能から実用性を評価した。その結果、外ケーブルに作用する初期引張力の大きさに比例して耐荷力も増加し、同一寸法を有するRC床版に比して1.26倍~1.70倍の耐荷力が向上することが分かった。また、破壊状況からは、外ケーブルに初期引張力を作用することでアーチ床版部の底面は圧縮域となることからRC床版供試体に比してひび割れ発生領域が抑制されることも判明した。したがって、外ケーブル式アーチ床版は、耐荷力性能が高い床版構造であり、実用性があることも明らかにした。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 64; no. 1; pp. 568 - 574
Main Authors 木田, 哲量, 阿部, 忠, 水口, 和彦, 田村, 章后
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2010
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.64.568

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Summary:本研究は、橋梁構造の少数主桁化に伴う床版の長支間化への対応策の一つとして、外ケーブル式アーチ床版を提案し、静荷重実験に対する耐荷力性能から実用性を評価した。その結果、外ケーブルに作用する初期引張力の大きさに比例して耐荷力も増加し、同一寸法を有するRC床版に比して1.26倍~1.70倍の耐荷力が向上することが分かった。また、破壊状況からは、外ケーブルに初期引張力を作用することでアーチ床版部の底面は圧縮域となることからRC床版供試体に比してひび割れ発生領域が抑制されることも判明した。したがって、外ケーブル式アーチ床版は、耐荷力性能が高い床版構造であり、実用性があることも明らかにした。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.64.568