熱力学連成解析によるセメント改良体の六価クロム不溶化・溶出過程の解析

セメントの水和反応、空隙構造形成、硬化体中の水分移動の連成現象を取り扱う解析システムに対して六価クロム溶出モデルを新たに導入し、セメント改良体から地盤へのクロム溶出挙動を再現可能な手法の構築を試みた。水酸化カルシウム(Ca(OH)2)およびカルシウムシリケート水和物(C-S-H)への吸着と、モノサルフェート水和物(AFm)への固溶を考慮してクロム固液平衡関係を定式化するとともに、セメント硬化体および地盤材料中のクロム移動現象のモデル化を行った。提案モデルを用いて既往のタンクリーチング試験および土槽試験結果のシミュレーションを行った結果、様々な条件下におけるセメント硬化体へのクロムの不溶化、外部...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 67; no. 1; pp. 472 - 479
Main Authors 高橋, 佑弥, 石田, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2014
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.67.472

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Summary:セメントの水和反応、空隙構造形成、硬化体中の水分移動の連成現象を取り扱う解析システムに対して六価クロム溶出モデルを新たに導入し、セメント改良体から地盤へのクロム溶出挙動を再現可能な手法の構築を試みた。水酸化カルシウム(Ca(OH)2)およびカルシウムシリケート水和物(C-S-H)への吸着と、モノサルフェート水和物(AFm)への固溶を考慮してクロム固液平衡関係を定式化するとともに、セメント硬化体および地盤材料中のクロム移動現象のモデル化を行った。提案モデルを用いて既往のタンクリーチング試験および土槽試験結果のシミュレーションを行った結果、様々な条件下におけるセメント硬化体へのクロムの不溶化、外部溶液へのクロム溶出、周辺地盤へのクロム拡散等の諸現象が適切に追跡されることを示した。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.67.472