日韓交流シンポジウム/Innovative Telemedicine in Kagawa Prefecture
世界人口は増加の一途をたどっており,国連の報告によると2022年までに80億人を超える見通しである.しかしながら,世界的な人口増加に反して,多くの高所得国では少子化,人口減少が問題になっている.高所得国での人口減少の主な要因として,出生数の低下が挙げられる.出生数の減少はさまざまな医療格差の要因となり,特に日本では都市と地方での人口格差が医師の偏在を招き,地方では出産が困難な地域が年々増加しているのが現状といえる.近年,日本では2019年以降のコロナ禍を契機にさまざまな遠隔医療の取り組みが行われてきた.遠隔医療の最大の利点は時間や空間に制限されることなく,医療情報や医療サービスを供給することが...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 60; no. 4; pp. 563 - 566 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-964X 2435-4996 |
DOI | 10.34456/jjspnm.60.4_563 |
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Summary: | 世界人口は増加の一途をたどっており,国連の報告によると2022年までに80億人を超える見通しである.しかしながら,世界的な人口増加に反して,多くの高所得国では少子化,人口減少が問題になっている.高所得国での人口減少の主な要因として,出生数の低下が挙げられる.出生数の減少はさまざまな医療格差の要因となり,特に日本では都市と地方での人口格差が医師の偏在を招き,地方では出産が困難な地域が年々増加しているのが現状といえる.近年,日本では2019年以降のコロナ禍を契機にさまざまな遠隔医療の取り組みが行われてきた.遠隔医療の最大の利点は時間や空間に制限されることなく,医療情報や医療サービスを供給することが可能になることがその一つである.現在,香川大学医学部では周産期医療領域の遠隔医療として,遠隔胎児心拍モニタリングシステムを活用した母体搬送システムと遠隔画像通信を用いた胎児スクリーニングシステムの構築に取り組んでいる.これら遠隔医療の活用により,地域周産期医療における医師偏在などの問題などの解決策を検討する. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.60.4_563 |