新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)を合併した一過性骨髄異常増殖症候群(TAM)の4例

一過性骨髄異常増殖症候群(transient abnormal myelopoiesis:TAM)は約20%に重症例を認め,少量シタラビン療法が予後改善につながる.新生児遷延性肺高血圧症を合併している重症TAMに対する治療は定まってない.新生児遷延性肺高血圧症を合併したTAM4例を報告する.症例1は在胎40週0日,出生体重2,635gの女児.心嚢液に対しステロイドの投与を行い日齢34に退院.症例2は在胎32週1日,出生体重2,309gの女児.少量シタラビン療法を行ったが日齢45に死亡.症例3は在胎36週1日,出生体重2,743gの男児.交換輸血,ステロイドパルスを行ったが日齢34に死亡.症例4...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 174 - 181
Main Authors 小金澤, 征也, 鈴木, 学, 城所, 励太, 金澤, 健, 村川, 哲郎, 櫻井, 基一郎, 山本, 将平, 水野, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2020
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Summary:一過性骨髄異常増殖症候群(transient abnormal myelopoiesis:TAM)は約20%に重症例を認め,少量シタラビン療法が予後改善につながる.新生児遷延性肺高血圧症を合併している重症TAMに対する治療は定まってない.新生児遷延性肺高血圧症を合併したTAM4例を報告する.症例1は在胎40週0日,出生体重2,635gの女児.心嚢液に対しステロイドの投与を行い日齢34に退院.症例2は在胎32週1日,出生体重2,309gの女児.少量シタラビン療法を行ったが日齢45に死亡.症例3は在胎36週1日,出生体重2,743gの男児.交換輸血,ステロイドパルスを行ったが日齢34に死亡.症例4は37週0日,出生体重3,122gの男児.少量シタラビン療法を行ったが日齢28に死亡.重症TAMに対する治療は困難であるが小児血液・がん専門医と連携して予後改善につなげたい.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.56.1_174