Ewing’s sarcoma family of tumors(ESFT)肝転移に対して2度の完全腹腔鏡下肝部分切除術を施行した1例
症例は右胸壁原発Ewing’s sarcoma family of tumors(ESFT)治療後の8歳男児.4歳時に発症し,化学療法,腫瘍摘出術,放射線治療により寛解を得た.治療終了1年9か月後に肝S6に23 mmの腫瘤性病変,右肺下葉に結節影を認めた.化学療法を追加し7歳時に腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.その後肺転移巣切除術を施行し,術後化学療法を行った.再寛解後11か月時に肝S2に16 mmの腫瘤性病変を認め,8歳8か月時に2度目の腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.前回のS6切除部位周囲に小範囲の癒着を認めたが,外側区域に癒着はなく,安全に手術を施行することができた.2回の腹腔鏡下手術に...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 55; no. 7; pp. 1170 - 1174 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
20.12.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0288-609X 2187-4247 |
DOI | 10.11164/jjsps.55.7_1170 |
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Summary: | 症例は右胸壁原発Ewing’s sarcoma family of tumors(ESFT)治療後の8歳男児.4歳時に発症し,化学療法,腫瘍摘出術,放射線治療により寛解を得た.治療終了1年9か月後に肝S6に23 mmの腫瘤性病変,右肺下葉に結節影を認めた.化学療法を追加し7歳時に腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.その後肺転移巣切除術を施行し,術後化学療法を行った.再寛解後11か月時に肝S2に16 mmの腫瘤性病変を認め,8歳8か月時に2度目の腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.前回のS6切除部位周囲に小範囲の癒着を認めたが,外側区域に癒着はなく,安全に手術を施行することができた.2回の腹腔鏡下手術において合併症はなく,輸血は行わなかった.腹腔鏡下肝切除は成人領域では普及しつつあるが,小児における報告は少ない.腹腔鏡下手術は低侵襲,癒着の少なさなど,再発リスクが高い本症例において有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.55.7_1170 |